十五年前の誕生日、どこで迎えて、何をしていたか覚えていますか? そんなこと聞かれても覚えてない、という人が大半だと思います。

 僕は二〇〇二年の誕生日を、イラクのモスルで迎えました。当時はまだサダム・フセインの時代、隣国ヨルダンから九日間のツアーで訪れました。

 首都のバグダッド、空中庭園やバベルの塔の伝説で有名なバビロン遺跡、シーア派の聖地ナジャフとカルバラを巡り、そしてツアーの後半で訪れたのが北部の都市モスルでした。

 当時の日記を読み返すと、イラク北部はキリスト教徒が比較的多く、郊外の山腹に建つ修道院を観光したと書いてありました。市内の中心部にはピラミッドのような外観のモスクと、傾いた斜塔のミナレットがありました。

 夜、同じツアーに参加した仲間たちが、ケーキを買ってきてくれました。イラク人のガイド氏とドライバー氏にもおすそ分けをしました。

 いつか、あのチグリス川沿いの古都を訪れるツアーを企画し、お客様にご案内できる日を目指して、僕は明日も働くのです。(代表 ふねしゅー)