たびえもん旅の思い出/深夜の国境で押し問答の巻
難民問題に揺れるヨーロッパ。場所によって国境の検問が復活するなど、「一つの欧州」の危機、なんてニュースで報道されていますが、思い出されるエピソードを1つ。
子供が生まれる前、妻と二人チェコの首都プラハを出発し、ポーランドの古都クラクフへ向かったときのこと。夜行の寝台列車は国境の駅で停まり、パスポートチェックがありました。
僕たちが乗っていたのは相部屋の簡易寝台、同室にイギリス人らしき年配のご婦人がいました。そのご婦人、何やら国境係官ともめている様子。
「パスポートがないとポーランドには入れませんぜ、マダム」
「何をおっしゃっているの。チェコもポーランドもEUざましょ」
たしかにポーランドはEU加盟国。しかし、国境検査を省略できるシェンゲン協定には(当時)未加盟…。
どうやら英国婦人。パスポート不要と思い込み、列車に乗り込んだようです。結果、かわいそうに深夜の国境駅で一人降ろされてしまいました。
みなさんも国境を越えるときは、気をつけて! (代表 ふねしゅー)