たびえもん旅の思い出 瀟洒な邸宅とスラム街の巻

 ラグビーW杯、日本は連勝スタートで盛り上がってますね! 今回はラグビー強国の1つ南アフリカの話。

 自転車で旅行していた僕はある日の夕方、とある小さな田舎町に辿り着きました。町の中心には、警察署と郵便局そして瀟洒な家が並んでいました。庭付き車庫付き、白人の邸宅です。

 はじめ警察署の横にでもテントを張らせてもらおうと考えたのですが、見事断られます。そして郵便局の横でたむろしていた黒人に話しかけられ、彼らの住まいへ行くことになりました。

 歩いて数分、そこは全くの別世界でした。トタン屋根のバラック、アルコールやドラッグで中毒になっているような人たちのうつろな目。

「ここで寝るのか? 気を付けたほうがいいぜ」1人の男に忠告されるまでもなく、やばいところに来てしまったと、不安な気持ちになりました。

 すでにアパルトヘイトは撤廃されていましたが、格差と差別は、僕の想像をはるかに超えて、苛烈に残っていたのです。結果として親切な家族に助けられて無事だったのですが、忘れられない思い出です。(ふねしゅー)