たびえもん旅の思い出 人と動物たちの境界線の巻

 最近日本全国で、熊の被害が報告されて大きなニュースになっています。温暖化や餌不足に加え、農村の人口が減り、人の生活圏と熊の生活圏の境界線が曖昧になった
ことも要因の一つと言われているようです。

 これは僕自身が世界あちこち自転車で訪れて体感したことですが、人口密度の高い日本は、そもそも都市と農村、さらにその外側の自然界の境界がぼやけている印象です。街道沿いに集落や田園が続いて、なかなか途切れません。

 一方でたとえば砂漠や高原の国になると、ここまでが町、ここから先は何もない荒野と明確な区別が。

 昔であれば関所や城壁があった所に、町の入口を示す標識が立ち、地図を見て「あと20キロ町が無い」と思う。実際に野生動物に遭う機会はまれでも、大自然に挑んでいく緊張感がありました。

 野山が身近で神々が宿ると考えていた文化と、自然を脅威と見なして対抗していた文化。どちらが正しいわけでもなく、環境に根づいた宗教観の違い。

 熊は神様なのか猛獣なのか。一歩引いて、謙虚に考える必要があるのかもしれません。(ふねしゅー)