たびえもんの日常を旅して 久しぶりのドラマの巻
中学生の頃、学年末の歴史のテスト最終問「一年間の歴史の授業への意見や感想を書きなさい」に対して、「一部の特権階級の興亡だけではなく、市井の人々の生活や文化をもっと詳しく学びたかった」と生意気をぶちかまし花丸をもらったことがあります。
そんな庶民派の私が毎週楽しみにしているのが大河ドラマ「べらぼう」です。むしろを被せた粗末な芝居小屋や公衆便所など、江戸の下町が遠慮なく忠実に再現されており「そういう感じだったのか!」と毎回目を皿にして観ています。
特に目を奪われるのは浮世絵の制作シーンです。原図の極細線を正確に板に彫りこむ刀、版木に和紙をあてて刷り込むばれん、よどみない製本作業、どれも職人の熟練技が光っています。
主人公が町人なのもうれしいところです。大衆が喜ぶものは何なのかをずっと考え続けて企画を立て、金を工面して愛嬌たっぷりに宣伝する、今でも通用しそうな凄腕ビジネスマン。商売敵の陰謀も意地悪で憎たらしい!
江戸後期、近代的な思考で日本中を熱狂させた出版王の活躍を、今年は追いかけてみたいと思います。(ごっちん)